イーセナは、自社のシンセティック・ドル「USDe」がブラックロックのAladdinプラットフォームに統合されたと発表した。本件は、同プラットフォーム上でポートフォリオやリスク管理を担う機関投資家を主要な対象とする動き。
発表では、ブラックロックのトークン化ファンドをホワイトラベルの商品裏付けとしたことにも言及した。ただし、ブラックロック側はこれに関する声明を公表していない。
USDeは米ドル連動型トークンの中でも規模の大きい存在で、6月29日時点で供給量は約45億ドル。ステーキングされたイーサ(ETH)と短期パーペチュアル先物の組み合わせによるデルタニュートラル戦略でペッグを維持。この仕組みがイーセナのシンセティック・ドルモデルの核心となる。
イーセナは今回の統合を「機関投資家向け流通」と位置付ける。投稿では、Aladdinが既に取り扱う資本規模の大きさに言及した。
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ブラックロックはAladdinの資産総額を公表しておらず、この規模は同社自身の主張に基づく。
ネイティブサポートが実装されれば、機関投資家は既存のツール内でUSDeを追跡・分析できるようになる。現時点で統合の詳細なレベルについてイーセナは明かしていない。
両社の関係は今回が初めてではない。ブラックロックのUSDインスティテューショナル・デジタル・リクイディティ・ファンド「BUIDL」は2024年3月にローンチし、ブラックロックの主要トークン化ファンドの1つに位置付けられている。
BUIDLは既に、2024年末にイーセナが発行したBUIDL裏付けのステーブルコイン「USDtb」の準備金の大半を担う。ホワイトラベル商品の主資産に指定することで、他社もイーセナのドルを自社ブランドで発行できる形となる。
新設される流動性ファシリティにより、BUIDLとUSDe、USDtbがオンチェーン取引で接続される。これは、ファンドとイーセナのトークン間で24時間のスワップを可能としたSecuritizeとの従来の協業を基盤とする。
イーセナのENAトークンは報道を受けて約10%急騰し、本稿執筆時点で0.0811ドル付近を推移している。
ただし、今回の上昇は大幅な下落基調の中での反発。ENAは1週間で約17%、年間で約70%下落した。
この反応は、過去の機関投資家との提携時と同様の展開。ウォール街のアセットマネジャーによる投資も以前、ENAを押し上げた。
しかしながら、USDeはなお規制リスクを抱える。2025年4月、ドイツのBaFinはイーセナの現地法人に対しUSDeの発行停止を命じた。これはEUのMiCA規則下での初の措置だった。
Aladdinの機関投資家が単なるモニタリングにとどまらず、USDeへの実際の配分に踏み切るかが、今後数週間の注目点となる。


