イーサリアム共同創業者のヴィタリック・ブテリン氏が、基盤層にネイティブなプライバシー機能を導入するための短期的なアップグレードの詳細を明らかにした。Xでの公開討論が、イーサの課題を改めて浮き彫りにしたかたち。
この議論は、あるユーザーが「Merge」やステーキング、レイヤー2の展開、現物ETFの承認を経ても、なぜイーサリアムが約2000ドルで推移し続けているのかと疑問を呈したことが発端。
別のユーザーは、ネイティブなプライバシーこそがイーサに真の「マネー性」をもたらす最有力な機能だと指摘した。この投稿では、基盤層でプライバシー機能が実装されれば、ETHのユーティリティ価値は「文字通り一夜にして跳ね上がる」と主張。同氏はL1のプライバシーがメインネットの手数料急増も促すとの見方を示した。
ブテリン氏はこのスレッドに加わり、1月に自身が示したサイファーパンクリセット構想にもつながる、現在開発中のアップグレード一覧を簡潔に列挙した。
Vitalik Buterin, Source: Xヴィタリック・ブテリン氏は、アカウントアブストラクション、キー付きナンス、「Kohaku」など、イーサリアムウォレットに関する複数の機能強化に取り組んでいる。
アカウントアブストラクションは、ウォレットの使い勝手と柔軟性を高めると同時に、プライベートトランスファーの検閲を困難にする。キー付きナンスで、取引を1本化せず並行処理できるようになる。「Kohaku」は、サービスがどのウォレットデータを参照しているかを隠し、利用者がチェックしたアドレスの追跡を難しくするプライバシーツール。
これらのアップグレードは、ミキサーのような単独サービスではなく、日常の取引プロセスにプライバシー機能を組み込む狙い。アカウントアブストラクションと「FOCIL」は、2026年後半に予定される「Hegota」ハードフォークでの実装を目指す。
ブテリン氏のプライバシー推進はイーサリアムにとどまらず、最近のZcash開発者Shielded Labsへの寄付にも表れている。イーサホルダーにとっては、プライバシー強化が具体的な需要増につながるかが最大の焦点。ウィンターミュートは最近、ETHを「マクロ環境に不向きな資産」と指摘し、ETH/BTCレシオは10か月ぶりの最安値水準となった。実用的なプライバシースタックが本格化すれば、再びメインネットへの流入を呼び戻す可能性もある。


