この記事の要点
アステリア株式会社と合同会社暗号屋は2026年3月13日、日本円建てステーブルコインJPYCの会計監査を支援するツール「JPYC Explorer」を共同開発し、同年4月1日より提供開始すると発表しました。
JPYC Explorerは、監査法人や大手企業が自社で管理するフルノード(ブロックチェーンの全履歴を保持・検証するコンピュータ)を通じて、ブロックチェーン上の取引の実在性を独自に検証できる監査支援ツールです。
発表によると、外部のAPIサービスに依存せず、取引検証のプロセスを企業の内部統制の管理下に置ける点が特徴で、監査業務におけるブロックチェーンデータの信頼性確保を目的としています。
同ツールは、日本公認会計士協会が研究資料で言及する「ブロックチェーンノードから直接データを取得する手法」を実装したもので、両社は監査法人が求める高い信頼性要件への適合を図ったと説明しています。
信頼性への対応に加え、直感的なインターフェースにより複雑なブロックチェーンデータを可視化し、監査業務の効率化にも寄与するとしています。
対応するステーブルコインはJPYCとUSDコイン(USDC)で、対応ブロックチェーンはイーサリアム(ETH)、アバランチ(AVAX)、ポリゴン(POL)の3チェーンとなっており、今後は順次対応範囲を拡大する計画です。
資本業務提携で決済インフラ強化
JPYCとアステリア、資本提携で決済インフラ強化|企業向けトレジャリー活用も
JPYCは2025年10月に発行を開始した日本円建てステーブルコインで、国内外の送金や決済を迅速かつ低コストで実行できる手段として注目を集めています。
発行規模も拡大しており、累計発行額は13億円を超え、保有アドレス数は8万以上に達しています。発行額は月次で約69%のペースで増加しており、JPYCは国内ステーブルコイン市場で存在感を強めつつあります。
一方で、企業や自治体がJPYCを実際の業務に組み込むためには、コスト面の利点だけでなく、ブロックチェーン上の取引を会計監査で検証できる体制の整備が課題とされていました。
今回発表された「JPYC Explorer」は、こうした監査環境の整備に対応するツールとして位置づけられています。
JPYC Explorerを開発した暗号屋は、ブロックチェーン監査ツール「Lensa」を手がけた実績を持つ福岡拠点の技術専門組織で、今回の連携を通じて、同社代表の紫竹佑騎氏がアステリアのステーブルコイン事業アドバイザーに就任する予定です。
アステリアは2026年2月、JPYCの普及拡大を目的としたシリーズBラウンドにリード投資家として参画しており、総額17.8億円の資金調達完了をすでに発表しました。
同月にはJPYCとの資本業務提携も締結しており、今回の監査ツール提供はその取り組みの延長線上にあります。
JPYC Explorerの価格は、基本料金が月額50万円(税抜・教育およびサポート込み)からで、監査対象1社あたりのオプションは月額5万円(JPYCの取り扱い量に応じて変動)からとしています。
同社代表取締役の岡部典孝氏は「取引の実在性を監査法人や企業が自ら検証できる体制を提供することで、JPYCの社会実装を大きく前進させる」とコメントしています。
両社は今後もJPYCと連携し、ステーブルコインの健全な普及に向けた基盤整備を進めていく方針です。
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Source:アステリア発表
サムネイル:AIによる生成画像

