2025年12月19日、仮想通貨マーケットメイカー企業GlydeGGの共同創設者Sweep氏は、ビットコイン(BTC)の最近の価格下落について「市場での売り圧力ではなく市場構造上の問題が主因である」との見解を示しました。
Sweep氏によれば、こうした市場構造の歪みとして「ドルやステーブルコイン建ての過剰なレバレッジショートが市場に流入すると、マーケットメイカーは中立性を保つため現物BTCを売却せざるを得ない」といいます。
その結果、弱気な投資心理がなくても価格が下落する「空虚な」売り局面が生じると同氏は指摘しています。
実際、オンチェーンデータ上でも投資家の投げ売りの兆候は乏しく、こうした状況を踏まえ、Sweep氏は今回の下落相場について「パニック的な売却ではなく需給再編による一時的な調整局面」との見方を示しました。
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Sweep氏は自身のX(旧Twitter)上で、今回のビットコイン下落が市場構造に起因するメカニズムについて言及しています。
同氏によれば、ステーブルコイン建ての過剰なレバレッジショートが市場に流入すると、マーケットメイカーは中立維持のため現物BTCを売る必要に迫られ、弱気な思惑とは無関係に価格が下落する現象が生じると指摘しました。
この過程について同氏は「合成的な売り圧力がヘッジ売りを強制し、現物市場に影響を及ぼすループだ」と表現し、直近の売り局面が空虚に見える理由についても、個人投資家の撤退により恐怖を伴う売却が生じていないためだと説明しています。
こうした構造的な売りが進む中で、Sweep氏は今回の下落について、弱気相場入りではなくLP(流動性プロバイダー)の整理と捉えられるとの見方を示し「大口投資家が安値でBTCを取得する構図だ」と強調しました。
オンチェーンデータも、こうした需給再編の動きを裏付けています。
K33リサーチによれば、2025年だけで1年以上休眠していたビットコインが約3,000億ドル(約47兆円)相当市場に再流入しており、同社はこれを過去最大級の供給解放と位置付けています。
またCryptoQuantの分析でも、30日間に長期保有コインからの放出が過去5年で最大規模に達したことが示されています。
こうした長期保有者の売却について、K33リサーチは「米国の現物ETFや投資ファンドへの資金流入が受け皿になっていた」と分析しています。
しかし現在は、そうした吸収役となっていたETFが純流出に転じ、取引高も低迷しているため、供給過剰の圧力が顕在化しています。
K33リサーチは、この長期保有コインの再活性化が米国ETFの流動性を利用した初期保有者の利益確定によるもので、2017年以来の大規模な動きだと分析しています。
また、過去2年で全供給の約20%が再配分された現状を踏まえ、長期保有者の売りは飽和に近づいているとの見方を示した上で「2026年にかけて売り圧力が徐々に和らぐ可能性がある」との見解を示しました。
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足元のビットコイン価格は8万8,000ドル(約1,340万円)台で推移しており、ETF資金流出が観測される中でも一定の下値の堅さを維持しています。
一方で、取引所のステーブルコイン残高は過去最高となっており、その供給量は約1,850億ドル(約29兆円)に達したと報じられています。
こうした残高の増加について、市場では取引所にステーブルコインの資金が滞留している状態と受け止められています。
専門家の間では、こうした需給状況を背景に、構造調整が一巡し売り圧力が薄れた場合には「米金融政策の転換やETF承認といった外部要因が相場に影響を与える可能性がある」との見方も出ています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.76 円)
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Source:Sweep氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像


