スペースXは、アンソロピックに対し、メンフィス拠点のスーパーコンピュータークラスター「Colossus 1」へのフルアクセス権を29日付で付与した。本契約は、同社が1兆7500億ドルの新規株式公開(IPO)を予定する約5週間前にまとまった。
この取り決めにより、アンソロピックは今月中に300メガワット超の容量と22万台以上のNVIDIA製GPUを利用できる。一方、スペースXは6月のナスダック上場を控え、有力AI顧客を獲得した格好。
スペースXは、4月1日に証券取引委員会(SEC)へ秘密裏にS-1を提出した。関係者は、今回の上場が米資本市場史上最大規模となると予想。ロードショーは6月8日の週に実施予定。
Colossus 1の計算能力を最先端AI研究所に販売することで、引受会社はAIインフラ構築の実績を示せる材料を手にした。
スペースXは2月にxAIと合併済み。アンソロピックとの契約は、Grokに限らず外部の有償顧客にもクラスターを提供できることを示した。
アンソロピック側は、この契約で有料利用者のClaude Code利用上限が2倍となり、OpusモデルのAPI上限も拡大した。同研究所は今年初め、未公開市場で1兆ドル規模の想定評価額に到達。
一方、イーロン氏は、アンソロピックのモデルが人類に害を及ぼした場合、計算能力を取り戻す権利を保持した。この条項がIPO投資家に異例のガバナンス要素として考慮材料を提供。
両社は、Starshipのハードウェアを将来のAIトレーニング用途と結び付ける複数ギガワット級の軌道上計算資源についても関心を示した。
ただし、この長期的構想はスペースX上場時の仮条件上限を引き上げる可能性もある。関係者の間では評価額が2兆ドルに達するとの観測も浮上。
今後投資家が注目するのは、S-1公開書類の発表。ムスク氏の事業によるAI計算収入の開示が、評価額議論の再燃につながる可能性。

